「荷物は、ないの?リュックだけって」

「あ、他の荷物は送っちゃってて部屋に置いといてもらうようにお願いしてあるので」

本当に部屋に届けてもらえたのかちょっと心配だけど、送っちゃったからには届いてるよねたぶん。

「そうなんや。ほな案内するわ、ついて来て」

「ありがとうございますっ」

「敬語とかいらんよ、同い年やし。てか今ここに住んでんのみんな同い年やねん」

「そうなんですっ…そうなの!?」

「なー、偶然やけどすごいよな〜」

傷だらけではあったけど、掃除はしてるみたいでキレイだった階段を上がっていく。
明かりは少ないけどそうゆうとこはちゃんとしてあるんだなぁって思った。

「やから気ぃ遣わんといてな」

「うん…」

じゃあ私以外男の子が3人、みんな同じ中学2年生ってことか。

「ここすごいで、普通の寮は2人部屋やねんけど、ここは1人1部屋もらえんねん!」

「そうなんだ」

「でも歩夢ちゃん女の子やからあたりまえに1人部屋やけどな」

「そうだよね」

今のところ女子は私だけ、さすがにそこは1人部屋だろうなぁとは思っていた。
でも知らない人と2人暮らしって心配だったし、そこは本当に気遣わなくていいかも。

「ルールとして他人の部屋への出入りは禁止やから、破ったらでんちゃんに怒られるからな」

「でんちゃんに怒られるんだ」

「ここの寮長やから」

でんちゃん!!
だったら尚のこと把握しといてくれないかな!?

私、女子!!!

「あそこが歩夢ちゃんの部屋やで」

階段を上るとカラフルな4つドアがあった。

204号室、私の部屋は…

「一番奥の左の部屋な、隣の203って書いてある緑がオレの部屋やから」


ここが私の、部屋。

赤色のドアが私の部屋。


古い建物だけど、掃除はされてるしところどころ直されてるとこもあってちゃんとした寮なんだ…


とりあえずはよかった。


「あの、ありがとう上川くんっ」

「智成でええよ」

「智成くんっ」


ここから、私の新しい生活が始まるんだ。