「「「キャーッ♡」」」

「!」


みんなの声がキレイに揃った。
キーンとした声にビクッてなっちゃった、みんな語尾にだけじゃなく目までハートになってるみたいなんだもん。


「斗空くんの声聞いちゃった~♡」

「シャーペン拾ってくれるのやばくない!?」

「一生の宝物じゃん!」


もしかして佐々木斗空って…


「「「今日も最高にカッコいい…♡」」」


めちゃくちゃ人気なの?


確かに私も思ったけど、昨日初めて会った時…すごいカッコいい人だなって。

でも中身ちょっとあれだなって…


「斗空くんのあの雰囲気もいいよね!」

「わかる、クールな感じがいい!」

「女子と話す斗空くん貴重だし」


あ、なるほどね。
そーゆう感じなんだ。

まぁクール?な雰囲気はわからないわけでは…

「三森さんはどう思う!?」

鞠乃ちゃんがさっきよりも身を乗り出して聞いて来た。もうふわっふわなハートがいっぱい飛んでるように見えちゃうんだけど。

「え、えっとー…そうだね?」

その姿に圧倒されちゃってこれくらいしか言えなかった。瞳にとんでもない力感じちゃったから、これくらいしか。


なるほど、佐々木斗空は人気なんだ。


「それで三森さんは誰と同室なの?」

「あ、それがっ」

全寮制のこの学園、もちろんみんな寮に住んでる。きっとあたりまえのように女子寮に。

「…空きがなくて臨時の寮に住んでるの」

これはなんとなーく言いたくなかった。
やっぱり恥ずかしいもん、あんな見た目ボロッとしてる寮に住んでるなんて。

「え、臨時寮に住んでるの!?」

ほら、この反応つらい。引いてるよねきっと。

「可哀相…!」

「え?」

鞠乃ちゃんが両手で口を隠して目を開いた。

「大丈夫!?あそこ暗いし怖くない?怪しいし!」

やっぱそんな風に思うところなんだ。

「住んでるって人聞いたことないよ!他の寮とも遠いし、周り木しかないし」

そーなの、それが暗くなってる理由の1つでもあると思うんだけど。

「嫌だよね〜…何かあったらいつでも言ってね!何でも聞くからさ!」

「鞠乃ちゃん…!」

ねって鞠乃ちゃんが首を傾ければふわっとツインテールが揺れる。

「ねぇねぇ歩夢ちゃんって呼んでいい?」

「うん!呼んで鞠乃ちゃん!」


学校生活1日目、さっそく友達ができた。
可愛くていい子で、仲良くなれそうで嬉しいな。

学校生活は楽しくなっていくそうな予感がする!