「好きだけど、付き合いたいわけじゃないんだ。」
放課後の教室で、友達と恋バナで盛り上がった時に、私が言った言葉だ。

最初はただ好きで満足していた。
祐斗を見続けることだけで。
たとえその笑顔が私に向けられなくたって。
その声が聞こえなくたって。
私は大丈夫。

なのに、私はいつの間にか、その先を想像してしまっていた。

気がついたのは、友達に彼氏ができた時だった。
告白されて何となく付き合ったというその友達は、男子からモテるが、女子からの支持が低く、大体最終的にクラスではぶられるのだ。
その子が言っていた。
「恋人だけど、私が好きなわけではないから、彼からの大好きは辛いよね。」
それに何となく、祐斗を重ねてしまったのだ。
もし私が告白して、付き合うことになったとして、私のことを好きではない彼が、私と付き合い続けるのはしんどいのではないか。