「早瀬先輩、最近彼女さん家に来てるんですか?」
昼休憩中、隣のデスクでパソコンとにらめっこをしていた後輩の瀬戸口がニヤつきながら俺の弁当を見る。
こいつ、と思いながらもまあ最近は来る回数増えたなと思い、「あぁ。」とうなづいた。
「へぇーへぇーラブラブなんですね?」
ラブラブ、なのか?
別に俺らは手を繋いだり、ハグをしたり、お互いの髪の毛を乾かしたりマッサージしたりすることはあるが、公共の場ではあまり表には出さない。
そこら辺のカップルよりは平然としているし、キスもハグも人前では絶対にしない。
「お前も彼女とラブラブだったろ。」
「先輩、それいつの彼女の話してるんすか。今の彼女はそういうの嫌いなタイプなんですよ!付き合って2ヶ月も経つのにまだ指1本触らせてくれない!かわいげがないですよ!」
瀬戸口は俺とは真逆の甘えるのが上手なタイプで、1年に3、4回彼女が変わる。
それもどれも違うタイプで、ギャルのときもあれば、お姫さま系のときもあるし、年上のときもあれば大学生のときもある。
今回はおとなしめの、お姉さんタイプだそうだ。