相手からも名刺を差し出された。
柴田さんと渡辺さんと言うらしい。

その時私は、緊張しすぎていて、名刺をきちんと見ていなかった。

会議は順調に進んでいった。
私が発言する場面はあまりなく、提案されていることに、「いいと思います。」としか答えていない。
別に適当に言っているわけではなくて、その提案やアイデアは本当にいいと思ったからだ。
柴田さんは明るくて知的な人だった。
提案に欠点がなく、仕事も丁寧なのだろう。
対する渡辺さんは何も話さない。
私と同じく、上司の付き添いで選ばれた人なのだろうか。

だけど、渡辺さんと目が合っている気がする。

ずっと見つめられている気がして、先程からなんだか落ち着かない。