もう俺は、陽菜を傷つけてから、しばらく恋愛はしないと決めたのに。
真っ直ぐ俺を見つめるその彼女が、どうしても輝いて見えたのは。
どうしても、目が離せなくなってしまったのはなぜだろう。
「わかった、一緒に探そう。」

彼女を無事緑ヶ丘の団体に届けた後、それはそれはお礼を言われたわけで、その彼女の弱さにつけこんで、しっかりと連絡先をゲットした俺を褒めてほしい。
そこから俺が恋愛には積極的にいくタイプだということに気づき、毎日彼女に連絡をした。
部活のことから学校のこと、道端の猫まで。

そうしていると、連絡が途絶えてしまった。
あとから彼女に聞けば、その時彼女は彼氏がいて、その彼氏は束縛が強く、連絡をとらせてもらえなかったらしい。
彼氏がいたこと自体は知らなかったが、彼女がなんとなくモテることはわかっていた。
でも、どんな出逢い方をしても、きっと俺は彼女に惚れただろう。