最初は、普通に体調を崩していたのだと思った。
体調を心配する連絡を入れても、彼女は『夏バテかな?笑』なんてどこか他人事の様子だったからだ。
だけど、夏バテにしては長すぎる。
彼女が1週間休んだ時、俺の教室に彼女の友達がやってきて、俺を詮索し始めた。

どうやら、陽菜と連絡がつかないらしい。
トークを見返してみれば俺も、その夏バテのくだりをした1週間前から、連絡をしていない。
そこで少し異変を覚えた。
夏バテを拗らせたのか、俺と陽菜の友達はそう思って、まだ待つことにした。
もしかしたら、明日、「おはよう。」と教室に入ってくるのかもしれない。
「大丈夫?!心配したよ?!」と駆け寄る友達に笑いながら「大袈裟だよー。」と笑って返すかもしれない。
明日になったら「堅治くん、夏バテ治ったよ!」と元気に話しかけてくれるかもしれない。

そう思っていたのに、次の日になっても、1週間経っても、やっぱり陽菜は学校に姿を現さなかった。