1週間で、俺とその子が付き合ったことは全校に知れ渡っていた。
告白をした当本人も、まさかOKされるとは思っていなかったらしく、俺がそう答えた瞬間、腰を抜かしていた。
もちろん彼女の友達も、俺の友達も、俺が彼女のことが好きだなんて話を聞いたことがなかったし、正直そんなことも思っていなかったので、俺の返事を聞いて戸惑っていた。
付き合う際に、彼女に一応条件はつけた。

『ただ、2つ、条件がある。1つ目、俺の行動に口をださないこと。2つ目、俺の部活の邪魔をしないこと。』

きつい条件に、彼女は頷いた。
了承と捉えた。
その条件さえ守ってくれれば、俺に支障は出ないはずだ。
彼女がこの規則を守れば、の話だが。

彼女と恋人の関係になってから1ヶ月、俺の生活は、特になんの変化もなかった。
強いて言えば、土日の部活休みのどちらかに、彼女と遊ぶようになったことくらいだ。
それも、毎週ではなく、まだ1回だけだが。
学校ですれ違っても、手を振るだけだし、部活に応援に来るわけでも、放課後に空き教室で話すなんてこともしない。