中学校を卒業して、私は少し遠い高校へ入学した。
偏差値がまあまあ高かったので、入るのは一苦労だったわけだが。
祐斗は元々そんなに頭が良かったわけではないし、上の高校に行きたかったわけでもないので、会う機会も、直接話す機会もなくなった。
ただ、度々連絡を取りあっていて、高校に行ってもプロレスが好きな人は見つからないので、週に1回、電話をして2人でプロレスを観た。
そんな毎日が続き、高校でも順調に友達ができ始め、夏休みに入る頃にはグループができていた。

その頃からか、隣の席の男子から妙に話しかけられるようになった。
いや、隣の席だから、毎日話すのは当たり前だ。
だけど、異様なくらいに話しかけられるので、こちらもなんだか変な気持ちになる。
こいつは私のことが好きなのか…?
大体、私のそういう予想は外れる。
意外と勘が鈍いのだ。

ただ、その時だけは的中してしまった。

高校1年生の宿泊学習で、告白された。

周りに囲まれた告白だった。
その人はクラスでも人気だったわけだから、友達も多く、取り巻きも多かった。
私は頷くしかなかったと思う。
あんなに大勢に見られて告白されて振るなんて、この先の私の高校生活が危うい。