世の中の恋人たちは、告白をする時、こんなにも迷うことはあるのだろうか。
結局私は決意したその日、日付が変わっても、送信することはできなかった。

翌日。
いままで恋の相談にのってもらっていた友達から、
「もう覚悟しなさい。」
と釘をさされた。
それはそうだ。
ぐたぐたしている間に誰かに取られてしまうかもしれない。

こんなにも好きになってしまうなんて思ってもいなかった。
こんなはずじゃなかったのに。

その夜、昨日入力していたけど送れなかったメッセージを、勇気をだして送信ボタンを押した。
『すきです
付き合ってください』
シンプルな言葉で、なんの特別なこともないのに、無駄に手汗がかいて、手が震えていた。

友達からは結果を聞かれたけど、それどころではなくて、なんとかLINEを見たくなくて、私は目を伏せていた。