あれっ? 南条くん、メガネをかけてる。
ひょっとして、普段はコンタクトなのかなぁ?
「ワフッ!」
南条くんの奥から、一匹の大型犬が鳴き声とともに姿を現す。
たれ耳で、毛の短い犬種——たぶん、ラブラドール・レトリバーっていう犬種だ。
「わぁ、おっきい!」
わたしの声に反応したのか、たたっとこちらに向かって駆けてくる。
「え、え、えぇっ⁉」
待って、待って、あんな大きな犬、怖すぎるんだけど⁉
思わずその場で身を縮こませるわたしに向かってその犬が飛びかかろうとした、そのとき——。
「ステイ!」
南条くんの指示が聞こえた瞬間、その場でピタッと止まって伏せをする。
ハッ、ハッ、ハッ、ハッ……と荒い呼吸をしながらわたしのことを見上げてはいるけど、飛びかかるのは我慢してくれているみたい。
「す、すごく賢いんだね」
こ、怖かったぁ……。
膝がまだ震えてる。
堪えきれなくなったわたしは、その場にぺたんとへたり込んだ。
「大丈夫か?」
「う、うん。ちょっと腰が抜けただけだから」
「腰が抜けただけって。このくらい、平気で避けてくれると思ったんだけど」
南条くんが、苦笑いしながら言う。
「いや、人間と犬は全然違うってば!」
まさかあんなふうに動けなくなるとは思わなかったから、わたしだってビックリだよ。
ひょっとして、普段はコンタクトなのかなぁ?
「ワフッ!」
南条くんの奥から、一匹の大型犬が鳴き声とともに姿を現す。
たれ耳で、毛の短い犬種——たぶん、ラブラドール・レトリバーっていう犬種だ。
「わぁ、おっきい!」
わたしの声に反応したのか、たたっとこちらに向かって駆けてくる。
「え、え、えぇっ⁉」
待って、待って、あんな大きな犬、怖すぎるんだけど⁉
思わずその場で身を縮こませるわたしに向かってその犬が飛びかかろうとした、そのとき——。
「ステイ!」
南条くんの指示が聞こえた瞬間、その場でピタッと止まって伏せをする。
ハッ、ハッ、ハッ、ハッ……と荒い呼吸をしながらわたしのことを見上げてはいるけど、飛びかかるのは我慢してくれているみたい。
「す、すごく賢いんだね」
こ、怖かったぁ……。
膝がまだ震えてる。
堪えきれなくなったわたしは、その場にぺたんとへたり込んだ。
「大丈夫か?」
「う、うん。ちょっと腰が抜けただけだから」
「腰が抜けただけって。このくらい、平気で避けてくれると思ったんだけど」
南条くんが、苦笑いしながら言う。
「いや、人間と犬は全然違うってば!」
まさかあんなふうに動けなくなるとは思わなかったから、わたしだってビックリだよ。