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 え。なにがあったの……?


 学校に行くと、パトカーがたくさん止まっていて、警察の人たちが忙しそうに動き回っていた。


「なんかね、侵入された形跡があったらしいよ」

「えー、なにそれ。怖いんだけど」

「この前の貼り紙と同じ犯人なのかなあ?」

「ひょっとして、爆弾を仕掛けに来たとか?」

「だったらヤバいじゃん」


 圭斗と目配せすると、わたしたちは安全確認のため、その場を離れた。


 教室の天井裏、換気口、渡り廊下——警察の人と鉢合わせしないように、細心の注意を払いつつ、あちこちをくまなく探す。

 見つかったら、きっとあっという間に追い出されてしまうから。


 わたしたちは、警察と協力関係にはない。

 あくまでも、独立した組織なんだ。

 こういうとき、少しくらい知り合いがいたら楽なのになって思うけど。


「おい」

 背後で突然厳しい声がして、肩がびくんっと跳ねる。


 全然気配に気づかなかった。


「どこから入った、そこのネズミ。警察の人間以外は、全員外で待機してもらっているはずなんだが」

 おそるおそる振り返ると、制服姿のおまわりさんが立っていた。

「ご、ごめんなさい。えと、あの……そう! 宿題プリントを机の中に忘れちゃって。学校で朝イチにやろうと思ってたのに、学校に入れなくなってて、それで……」


 慌てて考えた言い訳だけど、結構それっぽくない?


「うーん……30点」