なのに、ワイワイ盛りあがりながら前を歩く三人の背中を見つめているうちに、ちょっぴり寂しくなってきちゃった。

 ああ、あそこにわたしの居場所はないんだなって、改めて思い知らされた気分。


 そう、これはただの任務。

 じゃなきゃ、わたしはあんなセレブな学園の敷地内に入ることすらできないんだから。

 本当なら、出会うことすらなかった人たちで……。


「詩乃。なにやってんだよ。早く次行くぞ」

 名前を呼ばれ、ハッとして顔を上げると、三人が立ち止まってわたしの方を見ていた。

「あ、ご、ごめんね」

 パタパタと駆け寄ると、南条くんがわたしの隣に立つ。

「だから、詩乃の場所はここだって言ってるだろ?」


 そうだ。『詩乃は、俺から離れるな。これは命令だ』って、さっき言われたばかりだっけ。


「そうだったね! ごめんなさい」

 そんなわたしたちを見て、愛莉さんと北澤くんがなんだかニヤニヤしている。

「ち、違うからね⁉」


 これ、絶対二人にラブな方向に勘違いされてるよ。


「なにが違うんだよ」


 今度は、『ウソカノ設定忘れるなよ』っていう、南条くんからの圧力が……!


「いや、違わない……よね?」

 わたしがあははとぎこちなく笑うと、「なんで疑問形なんだよ」と南条くんが不機嫌そうにぶつぶつつぶやく。