「そうだ。ねえ、今度四人でダブルデートしない?」

「えぇっ⁉」


 でもそれって、愛莉さんにとっては、告白のチャンスってことで。

 でも、もし愛莉さんと北澤くんがうまくいってしまったら、南条くんは一人ぼっちになってしまうってことで。


 う、う~ん……。


 それに、南条くんは命を狙われている。

 そんなふうに出歩くのは、さすがにマズいんじゃないの?


「南条くんに、一度確認してみないと……」

「そうよね。じゃあ、今から聞いてみよっか」

「い、今ですか⁉」

 なんてわたしが驚いているうちに、愛莉さんがスマホを操作しはじめた。

 何度かの呼び出し音のあと、南条くんの不機嫌そうな声が聞こえてくる。

『なんだよ。今、食事中なんだけど』

「今ね、今度四人でお出かけしない? って詩乃ちゃんと話してたの」

『四人? ってことは、詩乃も一緒にってことだよな。なら、行けると思う』

 なんか今さらっと名前呼びされた気がするんですが……なんてことは、この際どうでもいい。

「ち、ちょっと待って、南条くん!」

 わたしが腰を浮かして声をあげると、愛莉さんが自分のスマホをわたしの方にくるりと向けた。


 わわっ、ビデオ通話⁉