「誰にも言わないって約束するから、安心して。そっかぁ。蒼真ってば、お見合い話、片っ端から断ってるって言ってたのに。でも、今までそうしてきたからこそ、詩乃ちゃんと出会えたんだもんね。そっか、そっかあ」


 南条くん、そんなにお見合い話が来てるんだ。全然知らなかった。

 っていうか、まだ中学生だよね? 早くない⁇

 あ。ひょっとして、わたしをニセカノにしたのも、お見合いを断る口実を作るためだったりして。

 あ、ありうる。


「一見冷たい人に見えるけど、蒼真は誰よりもやさしい人だから……ってあたしが言わなくても、詩乃ちゃんならきっとわかっているわよね。詩乃ちゃん、蒼真のこと、末永くよろしくね」


 ……え?

 わたし、ケガの心配もされず、無傷で避けられなかったことを罵られましたが?

 まあ、避けられなかったわたしが悪いんですけどね!


 ……でも、愛莉さんにとって、南条くんはやさしい人なんだ。


 なんだか胸のあたりがモヤッとする。


 ま、まあね、わたしはどうせ友だちでもなんでもない、ただの護衛だし? ただのニセカノだし?

 愛莉さんとは扱いが違って当然だよ。


「そっかあ。……だったら、あたしも告白しちゃおっかな」