「とにかく、詩乃が南条に恋愛感情を抱く可能性は1%もないってこと。わかった?」
「は? そんなこと、やってみなくちゃわからないだろ。俺はこんな危険な仕事からは、今すぐにでも足を洗ってほしいって——」


「ストーップ!!!!」


 声を張り上げたわたしを、南条くんと圭斗が同時に見る。


「二人して勝手なこと言わないで。これは、わたしの人生なの。誰を好きになるとか、頭首になるとかならないとか、そんなこと、他人に決められたくない! わたしはわたしの人生を自分で選ぶんだから!」

「悪かった」
「ごめんね、詩乃」

 二人がしゅんとして口々に謝罪の言葉を述べる。

「わ、わかってくれれば、それでいいよ」


 そんなふうに急にしおらしくされると、わたしがイジメてるみたいな気になっちゃうんだけど。


「それでね、とりあえず今後のことなんだけど……」


 わたしは、やっぱりこのままクビってこと?

 そしたら、南条くんとも、愛莉さんや北澤くんとも、お別れしなくちゃいけなくなる。

 せっかくみんなと仲よくなれそうだって思ってたのに。

 わたし、まだここにいたいよ……。


 顔をうつむかせると、ぎゅっと両目をつぶる。