「須藤さん、見たよな。間違いなくセクハラだ」
山崎とみなみの視線はコーポの一階にある恭子の家のドアに向けられている。ふたりはずっと恭子の自宅を見張っていたのだ。
「無理矢理、アルバイトの子を家に連れ込んだ図式だな。あの少年、泣いていた」
「確かに泣いてたのはおかしいよね。でもほかの理由かも……」
「セクハラに決まってるだろう」
イケメンの山崎の断言に、みなみはそれ以上、反論しなかった。
確かに健士は悲しんでいた。憧れの女性の恭子から離れたくなかったからだ。だが山崎とみなみが、健士に涙の理由を聞くことはないだろう。
「でもよく主任の自宅分かったじゃない。個人情報だから総務も簡単に教えてなんかくれないのに」
「松山さんが動いてくれたんだ。松山さんにはバックがいるからな。もうすぐ杉野のお説教、聞かずに済む」
山崎とみなみの視線はコーポの一階にある恭子の家のドアに向けられている。ふたりはずっと恭子の自宅を見張っていたのだ。
「無理矢理、アルバイトの子を家に連れ込んだ図式だな。あの少年、泣いていた」
「確かに泣いてたのはおかしいよね。でもほかの理由かも……」
「セクハラに決まってるだろう」
イケメンの山崎の断言に、みなみはそれ以上、反論しなかった。
確かに健士は悲しんでいた。憧れの女性の恭子から離れたくなかったからだ。だが山崎とみなみが、健士に涙の理由を聞くことはないだろう。
「でもよく主任の自宅分かったじゃない。個人情報だから総務も簡単に教えてなんかくれないのに」
「松山さんが動いてくれたんだ。松山さんにはバックがいるからな。もうすぐ杉野のお説教、聞かずに済む」