小柄な少年が、社長秘書の芽衣子に案内されて会議室に入って来た。十八歳というが背が低く、はにかんだ表情とおちょぼ口で随分幼く見える。
 だが確かに十八歳に違いない。恭子は、ハッキリ彼から聞いた。

「こんにちは。この会社のために少しでもお役に立ちたいと思ってます。何でもやらせて頂きます」

 恭子と少年の視線がピッタリ合った。少年の頬がバラ色に染まった。そして満面の笑みになった。

「君は杉野主任の下で働いてもらう。ほかの部署の手伝いをするときも、全て杉野主任を通してもらうから」

 恭子は信じられない思いだった。あぜんとする表情をどうしても隠せなかった。
 日下健士の前では……。