「あんな無惨な……! まだ十数年しか生きていない、未来のある少年の明日を奪って、あんたら山姥は、山に捨てたんだ! 弔うことすらせずに!」

「ごめ、ごめんなさい……!」



泣いて謝る澪に、男性は、
「許されると思っているのか?」
と、責めた。



「あんた達だって」
と、澪の母親は言う。



「あんた達だって、生き物を食べるだろう? 動物を食べるだろう!? どうして私達だけ責められなくちゃいけない!!」

「うるせぇ! 今、そういう話をしているんじゃないんだ!!」

「同じことだろう!?」



澪の母親は、怒りからか、そのガサガサの肌を真っ赤にして、眉間に深い深いシワを刻む。



「空腹で! 目の前に食べ物があるんだ!! ほら、早くその坊やをよこしな!!!」

「何を言ってやがる!!」
と、年配の男性が猟銃を澪の母親に向けた。



「何度だって言ってやるよ!! 私は空腹でイライラしているんだぁぁあぁぁあ!!」