駒澤くんが遺体で発見された。
大人は隠しているみたいだったけれど。
オレ達にだって情報は回ってくる。
駒澤くんの遺体は、破損しているところがあったらしい。
しかも。
何かに食べられたあとじゃないかって話だった。
駒澤くんのお通夜には、クラス全員で参列した。
喪主のお祖父さんが、ずっと眉間にシワを寄せて涙を流している姿を見て、胸が押しつぶされそうになった。
「駒澤くんの家って、お父さんがいないんだって」
「四人きょうだいらしいけど、末の妹さん、まだ小学三年生らしいよ」
「知っているのかな……、お兄ちゃんがあんなふうに亡くなったってこと」
お通夜の帰り道。
ひそひそと女子達が話していた。
「もっと駒澤くんと話をすれば良かったな」
と、伊東さんが泣いてそう言い、みんな泣きながら頷いていた。
ただひとり。
泣いていない人がいた。
佐田さんだった。