昔から、身長が高いことがコンプレックスだった。
中学生の時には既に170cm越え、それでも伸び続ける身長。
男子よりも背の高い自分──部活をするには有利だったけど、それ以外では何の役にも立たなかった。
中学生の時に好きになった人には「自分よりデカい女には興味無い」と言われてしまう始末。
今日も、コンプレックスを抱えながら過ごしていた。
「見て、あの人──背ぇ高い」
「170cm以上ありそ〜・・・」
図書室に資料を取りに来た時、背の低い女の子2人が私を見て口を開いた。
あぁ、またか・・・。
初めて見る人は必ず私の身長のことに触れてくる。
私にとってはそれが嫌だった。
もっと身長が低ければ良かったのに。
「身長高いの羨ましいな〜、私身長低いからさ〜」
私は貴女のその身長になりたいよ。
小柄な女子になりたい。
「だけど、男子より高いとか嫌じゃない?女として見てくれなさそう」
ズキッ──
近くを通る女の子達の言葉に、胸が痛んだ。
“自分よりデカい女に興味無い”
昔言われた言葉がフラッシュバックしてきて、思わず目を閉じた。
しんどい、この場から離れたい・・・。
「良いじゃん、高身長なのも」
そう考えていた時、後ろから聞こえてくる声に思わず振り返る。
そこには私より背の高い男子が2人の女の子に対して近付いて行くところだった。
身長高・・・私より大きい人、滅多にいないのに・・・。
「は、灰田くん!」
その男子が現れたことによってポッと顔が赤くなっていく女の子達。
もしかして、人気の人だったりするのかな?
「それに、俺身長高いからこの人ぐらいの身長が好きなんだよね」
「わっ・・・!?」
そう言って、私の肩に腕をのばして抱き寄せてくる高身長の男子。
急なことに驚きと緊張を隠せない。
「どう?お似合いでしょ?」
整った顔を近付けながら2人に見せつける男子。
あまりの近さに固まることしか出来ないし、ドキドキと心臓が鳴り響いていた。
「っ・・・そうだね!」
そう言って立ち去っていく2人。
彼女達が去った後、ゆっくりと離れていく。
「スンマセン、急に。なんか傷付いたような顔してたんで、身長気にしてるのかと思って」
「う、ううん!ありがとう」
私の正面に立って申し訳なさそうにしている男子。
そんな彼に手を振ってお礼を言った。
正直、身長の事を言われて傷付いてたからありがたかった。
急に抱き寄せられたのは、ビックリしたけど・・・。
「俺、灰田 陸(はいだ りく)。1年ッス。オネーサンは?」
「い、伊吹!加藤 伊吹。2年だよ」
「伊吹さん!いい名前ッスね!よろしくッス!」
ニッコリと笑いながら握手を求めてくる灰田くん。
その笑顔に、胸がドクンッと高鳴った。
「・・・ありがとう、よろしく」
手を握り返すと、灰田くんは用があるからと図書室を去っていく。
だけど、ドキドキと高鳴った心臓は落ち着くことは無かった。
「・・・灰田、陸くん・・・」
去っていく背中を見ながら彼の名前を呼ぶ。
私──灰田くんに一目惚れしたかもしれない。
中学生の時には既に170cm越え、それでも伸び続ける身長。
男子よりも背の高い自分──部活をするには有利だったけど、それ以外では何の役にも立たなかった。
中学生の時に好きになった人には「自分よりデカい女には興味無い」と言われてしまう始末。
今日も、コンプレックスを抱えながら過ごしていた。
「見て、あの人──背ぇ高い」
「170cm以上ありそ〜・・・」
図書室に資料を取りに来た時、背の低い女の子2人が私を見て口を開いた。
あぁ、またか・・・。
初めて見る人は必ず私の身長のことに触れてくる。
私にとってはそれが嫌だった。
もっと身長が低ければ良かったのに。
「身長高いの羨ましいな〜、私身長低いからさ〜」
私は貴女のその身長になりたいよ。
小柄な女子になりたい。
「だけど、男子より高いとか嫌じゃない?女として見てくれなさそう」
ズキッ──
近くを通る女の子達の言葉に、胸が痛んだ。
“自分よりデカい女に興味無い”
昔言われた言葉がフラッシュバックしてきて、思わず目を閉じた。
しんどい、この場から離れたい・・・。
「良いじゃん、高身長なのも」
そう考えていた時、後ろから聞こえてくる声に思わず振り返る。
そこには私より背の高い男子が2人の女の子に対して近付いて行くところだった。
身長高・・・私より大きい人、滅多にいないのに・・・。
「は、灰田くん!」
その男子が現れたことによってポッと顔が赤くなっていく女の子達。
もしかして、人気の人だったりするのかな?
「それに、俺身長高いからこの人ぐらいの身長が好きなんだよね」
「わっ・・・!?」
そう言って、私の肩に腕をのばして抱き寄せてくる高身長の男子。
急なことに驚きと緊張を隠せない。
「どう?お似合いでしょ?」
整った顔を近付けながら2人に見せつける男子。
あまりの近さに固まることしか出来ないし、ドキドキと心臓が鳴り響いていた。
「っ・・・そうだね!」
そう言って立ち去っていく2人。
彼女達が去った後、ゆっくりと離れていく。
「スンマセン、急に。なんか傷付いたような顔してたんで、身長気にしてるのかと思って」
「う、ううん!ありがとう」
私の正面に立って申し訳なさそうにしている男子。
そんな彼に手を振ってお礼を言った。
正直、身長の事を言われて傷付いてたからありがたかった。
急に抱き寄せられたのは、ビックリしたけど・・・。
「俺、灰田 陸(はいだ りく)。1年ッス。オネーサンは?」
「い、伊吹!加藤 伊吹。2年だよ」
「伊吹さん!いい名前ッスね!よろしくッス!」
ニッコリと笑いながら握手を求めてくる灰田くん。
その笑顔に、胸がドクンッと高鳴った。
「・・・ありがとう、よろしく」
手を握り返すと、灰田くんは用があるからと図書室を去っていく。
だけど、ドキドキと高鳴った心臓は落ち着くことは無かった。
「・・・灰田、陸くん・・・」
去っていく背中を見ながら彼の名前を呼ぶ。
私──灰田くんに一目惚れしたかもしれない。