「ここで一緒に暮らさない?」


 驚いて、体からスッと力が抜けていくのが分かる。

 目を泳がせながら、ゆっくりのぼっていく視線が彼をとらえたとき、真剣な瞳が真っすぐこちらを見つめていた。


「静菜、好きだ」

 
 ずっと、この言葉が聞きたかった。彼と出会って恋をした高校生のあの日から、欲しかったのはこの言葉だけだった。

 自然と涙があふれ出す。

 そんな私を困ったように見つめる彼は「泣き虫だな」と笑った。


「どうしよう、嬉しいです」
「それはイエスと受け取っていいのかな」


 私は彼の胸に飛び込んで、こくりと頷く。

 幸せで、幸せすぎて、この時間が一生続いてほしいと思った。