それからおよそ二か月近くがたったその日、私と宗輔は、出来上がって来た写真を眺めていた。どの写真も笑顔にあふれている。

私はもちろんだけれど、それ以上に宗輔が幸せそうなのが嬉しい。その顔は、出会った時の無愛想な表情とは全く無縁の明るい笑顔に満ちていた。

「これからも、あなたのこういう笑顔をたくさん見たいわ」

「こういう顔は、佳奈が傍にいる時限定だよ」

そう言って目元を緩める彼に、私はこみ上げる気持ちのままに言った。

「ねぇ、宗輔さん。――私を好きになってくれてありがとう」

「嬉しい言葉だけど、唐突にどうしたんだ?」

「ん……。なんだか急に言いたくなったの。あなたに見つけてもらえて良かったな、って」

宗輔は私に腕を回して、自分の方へと抱き寄せた。

「人との出会いって、ほんと、奇跡だよな。佳奈に会えて、再会できて、この奇跡に感謝しているんだーー。佳奈、俺の気持ちを受け入れてくれて、そして気持ちを返してくれてありがとう。愛しているよ」

「私も愛しているわ。ありきたりな言い方かもしれないけれど、あなたに会えて心から良かったと思っているの」

私は宗輔の手に自分の手を重ねた。

二人の薬指のペアリングが結婚指輪に代わるまであと少し。数日後には結婚式が待っている。

ずっと一緒にいてね――。

私はそう言って、宗輔にキスをした。







(了)