声まで…わたしそっくり。


なにかの映像かと思って手を伸ばしてみるけど、ペタペタと触れるから…どうやら実物のようだ。


「あ…あなたは?」

「アタシ?アタシは、佐藤アリス」


そのコは無邪気な笑顔を見せた。


「…“サトウアリス”!?わたしも…“佐藤ありす”だよ!」

「えっ…!名前までいっしょ!?すごすぎじゃない!?」


わたしの手を取って喜ぶアリスちゃん。


すぐには理解できなかったけど、どうやらわたしは顔も名前も年齢も同じ女の子に出くわしてしまったようだ。


しかも、声も背丈も同じで、髪色もセミロングのヘアスタイルもすべてが同じ…。

まるで、自分の姿を鏡に映したかのような女の子。


たしかに、“佐藤”は一番多い名字だし同姓同名がいてもおかしくはないけど、ここまで瓜二つの人物が存在するだろうか。