ちょっぴり寂しいけど、昴くんとはずっとこのままの距離感なのかな。


わたしはそう思っていたけど、まさかあんなことになるなんて――。



* * *



「あれ…」


その日、学校に登校して靴箱を開けて気づいた。

わたしの上履きが1足だけしかなかった。


「アリスちゃん、どうかした?」


虹斗くんがわたしの靴箱をのぞき込む。


「上履き、どうしたの?片方しかないじゃん」

「…うん。おかしいな、昨日帰るときはちゃんとここに――」

「上履きなら、ここにあったよ」


そんな慎太郎くんの声が聞こえて振り返ると、なくなった片方の上履きを持っていた。


さすがイージス。

わたしが探すよりも先に見つけてくれた。


「ありがとう、慎太郎くん!」


慎太郎くんはわたしの足元に上履きを置く。