すっかり友達感覚の虹斗くんと慎太郎くんとは違って、未だに距離がある昴くん。


だから、寝起きのわたしに対して向けてくれた笑みがどこか無防備で、初めて見る柔らかい表情に思わず見惚れてしまった。


イージスとの同居も慣れたようで、まだまだ慣れないことはたくさん。


例えば、夜寝る前に歯を磨こうと洗面所のドアを開けたら、お風呂上がりの上半身裸の慎太郎くんと鉢合わせしてしまったり。

夜中に、寝ぼけた虹斗くんが自分の部屋と間違えてわたしの部屋に入ってきたり。


2人は仲のいい友達だけど、れっきとした男の子。

だから、どうしてもそういう場面になると“異性”と意識してしまって、どうしようかとパニックになる。


そんなハプニングもあった2人とは違って、昴くんとはなにもない。

同じ部屋に住んでいるからといって、特別親しくなるわけでもなく。