「あれ?もしかして、アリスちゃんって…キスしたことないの?」


そのストレートな言葉にわたしは顔を真っ赤にさせる。


…な、ないよ。

ないに決まってるじゃん…!


だってまだ…中2だよ!?


でも虹斗くん…、その言い方だと――。

中1なのに、すでに経験済み…!?


だから、…こんなにも余裕があるっていうの!?


「アリスちゃん、なにも緊張することないよ。ぼくがエスコートするから」


なになに…!?

エスコート科って、こういうことも習ってるの?


…って、そんなわけないよね。


とにかく、なんとかして――。


「じっとしてて、アリスちゃん」


はっとしたときには、虹斗くんの顔がすぐそこまできていて――。

わたしはぎゅっと目をつむった。


――そのとき。


「イタタタタタタッ…!!」