「「はい!」」


そうして、昴くんのおかげでわたしは絶体絶命の状況から救い出された。



昴くんに連れてこられたのは、保健室。

どうやら、保健室の先生は不在のようだ。


「ご、ごめんね…昴くん。わたし…重いでしょ?」

「いえ、むしろ軽いくらいです」


細身なのに、昴くんは軽々とわたしを持ち上げるくらい力があって、その男らしさにキュンとしてしまう。

わたしをベッドの上へやさしく下ろす昴くん。


「昴くん、わたしがケガをしたって嘘ついてくれたんだよね?あの場から連れ出すために」


…悪いことしちゃったな。

こんなことなら、本当に足でもくじいてしまったらよかったのに。


――そんなことを考えていると。


「なにも嘘ではありません。おケガをされているのは本当のことです」

「…え?」