ど…どうしよう……。


わたしの額から冷や汗が滴り落ちた。


――そのとき。

急に体がふわっと宙に浮いたような感じがした。


「先生。申し訳ございませんが、アリス様は一旦休憩をいただきます」


そんな声が聞こえて顔を上げると、そこには昴くんの整った横顔が。


なんでこんなに近くに昴くんの顔が――。

と思ったけど、なんとわたしは昴くんにお姫さま抱っこをされていた!


一瞬にして、自分の顔が熱くなるのがわかった。


「四之宮くん。休憩というのは?」

「アリス様はケガをされています。ですので、その手当てを」


…ケガ?

わたしが?


もしかして昴くん、この場から逃げるために嘘をついてくれてたのだろうか。


「警護対象者のどんな小さな変化も見落とさないところは、さすがイージスですね。他のエスコート科の生徒も、四之宮くんのことを見習うように」