「それに、見たことのないステップもあって驚きました。あれは、どこで習ったのですか?」


…ギクッ


だから、そのことについては触れてほしくない。


「そ…そんなステップありましたか?体が勝手に動いていたので、全然覚えてなくて……あはは」


苦笑いを浮かべるわたし。


「そうですか!でしたら、もう一度踊ってもらえますか?今のダンスをぜひ他の生徒のお手本にしたいのです」

「…えっ!?…もう一度!?」


虹斗くんのおかげでなんとかそれっぽいかたちになっただけの…あのテキトーなダンスを!?


「む、無理です!そんなのっ…」

「アリスちゃん、遠慮することないじゃん。ぼくはアリスちゃんとなら、何度だって踊りたいけど?」


虹斗くんまでそんなこと言わないでよ…!


わたしと違って虹斗くんは踊る気満々のようで、再び手を差し出してくる。