執事のような仕事内容も担っているから、料理もエスコート科で教わってるんだとか。


こんなに至れり尽くせりな同居生活、このままではわたしがダメ人間になってしまいそう。


――だから。


「洗い物はわたしがするよ!」


食べ終わった食器の洗おうと、今日の洗い物当番の昴くんのそばへと向かった。


「いけません。アリス様に雑務をさせるわけには――」

「わたしがやりたいんだから、これくらいさせてよっ」

「そうとは言われましても、これは俺の仕事です」

「だったら、いっしょにしよ?」


わたしの提案に、困ったようにため息をつく昴くん。


「…かしこまりました。それでは俺が洗います。アリス様は水ですすいでいただいてもかまいませんか?」

「うん、わかった!」


エスコート科の生徒は本当になんでもできるようで、慎太郎くんの料理の腕前もすごかったけど、昴くんの洗い物もテキパキしている。