「おはよう、虹斗くん!早いね」

「警護はアリスちゃんが部屋から出てきたときから始まるのに、お嬢様より寝坊なんてしてられないよ」


話し方はフランクになっても、ボディガードとしての務めはきっちりとしているようだ。


「アリス様、おはようございます」

「…わっ!びっくりした〜…。おはよう、昴くん」


音もなくそばにやってきた昴くんに驚いた。

同い年の昴くんこそ一番仲よくしたいというのに、1日たってもこの調子。


「アリス様の朝の支度が済まれましたら、朝食にいたしましょう。本日は、慎太郎が朝食当番です」


そういえば、リビングにきたときからいい匂いがすると思っていた。

キッチンをのぞくと、エプロン姿の慎太郎くんが料理をしていた。


昨日の夕食はお祝いにピザを取ったけど、どうやら食事の支度をするのはボディガードである男子生徒の仕事のようだ。