「だよね、虹斗くん」


わたしと虹斗くんは顔を見合わせる。

虹斗くんが普通に話してくれるようになって、わたしも凝り固まっていた緊張がほぐれてきたし。


「アリス様、あまり虹斗を甘やかさないでください。最低限の言葉づかいもできなければ、イージスの名が廃れます」

「でも24時間いっしょに過ごすなら、わたしもみんなと仲よくなりたいし。だから、“友達”でいいんじゃない?」

「いけません」


さすがはイージスのリーダーは、一番責任感がある。

わたしがこれだけ言っているのに、昴くんは絶対に譲ってくれない。


「まあまあ、昴」


そんな昴くんの肩に手を置いたのは慎太郎くんだった。


「虹斗の言うとおり、アリス様――いや、アリスちゃんがやめてほしいと言ってるんだったら、それに従うべきじゃないのか?」