3人はわたしがアリスちゃんと入れ替わっていることは知らないとはいえ、敬語はやっぱり落ち着かない。


すると、虹斗くんが表情をゆるめた。


「な〜んだ、そんなことか!それならオッケー!それじゃあ、ぼくは普通に話すねっ」


ほらっ。

やっぱりこのほうが、親近感が一気にわいた。


「ありがとう、虹斗くん」


――しかし。


「調子に乗るな、虹斗。アリス様は、俺たちの大事な警護対象者。“友達”じゃないんだぞ」


そう言って、鋭い瞳で虹斗くんを睨みつけるのは昴くんだった。


「そんなこと言わなくたっていいじゃない、昴くん」

「そうっすよ。アリスちゃんもこう言ってくれてるんだから」

「虹斗!“様”をつけろ!」


昴くんに叱られ、虹斗くんは口を尖らせる。


「え〜…。でもね〜、アリスちゃん」