なんと、わたしの後ろに虹斗くん。

そしてその隣の、わたしの斜め後ろの席に慎太郎くんが座った。


「…えっと。2人とも…自分の教室は?」

「ぼくたちエスコート科の生徒に、教室はありません」

「ペアとなるお嬢様のクラスで、ともに勉強をご一緒します」


驚いたことに、エスコート科の男子生徒は学年関係なくお嬢様と同じ教室で勉強するのだ。


この学年でこの勉強内容をするという教育内容ではなく、3年間を通して卒業に必要な単位を取るというカリキュラムなのだそう。

だから、他学年が混ざっていても問題ないのだ。


そんなこんなで、星乃川学園独自のシステムやルールはたくさんあった。

ここでの学校生活に慣れるには、しばらく時間がかかりそうだ。


あいさつは「ごきげんよう」。

聞き慣れないあいさつに、初日から戸惑った。