はっとして顔を上げると、切れ長の目が間近にあってわたしを見つめている。

その瞳の中には、お姫さま抱っこをされるような体勢にドキッとして戸惑うわたしの顔が映っていた。


「ケ…ケガなんてありません!大丈夫です…!」


わたしは、起き上がるとすぐにイージスと距離を取った。


「あんなアリスの予期せぬことにも瞬時に反応できるとは。さすがですな」

「もちろんです。彼らは、心技体に優れた優秀な生徒たちですから」


理事長のおじさんは、自慢げに笑っている。


「よかったな、アリス。彼らが24時間守ってくれるのなら、パパも安心してアメリカに戻れるよ」

「…え?24時間?」


わたしの耳がピクリと反応する。


「話していただろう?星乃川学園は全寮制。女子生徒とエスコート科の男子生徒は、同じ寮の部屋で住む決まりだ」