『絶対に大丈夫だって!』


アリスちゃんはああ言っていたけど、やっぱり全然大丈夫じゃない。

顔と名前が同じ、その他共通点も多かったとしても、これまで平凡に暮らしてきた庶民のわたしが、超有名財閥のお嬢様になんてなれるはずがないのだから。


やっぱり入れ替わりはできないと、明日もう一度アリスちゃんに伝えよう。

それで、周りの人にも本当のことを話そう。


――そう決心したはずだったのに。



次の日。


「アリス様!本日は午前10時から、記念式典にご出席で――」

「昼食は、展望レストランをご予約しておりまして――」

「14時には、交響楽団の演奏会にご招待されているため――」

「16時半には、新規オープンの博物館のご見学がございますのでお急ぎください!」


といった感じで、その日は1日中イベント参加へのスケジュールなどが詰まっていて――。