だからアリスちゃんは、わたしと入れ替わりを戻すつもりはないという。


「…いやぁ。さすがにバレちゃうよ…」

〈今日の会食も問題なかったんだよね?だったら、絶対に大丈夫だって!〉

「でもっ…」

〈なにもずっとってわけじゃないよ?交換留学期間が終わって、アタシがアメリカに帰るまでのこの1ヶ月間だけだからさっ♪〉


アリスちゃんは簡単に言うけど、わたしは今日だけでもバレないかとヒヤヒヤしていた。


〈ありすちゃ〜ん、お風呂だよ〜〉


そのとき、電話越しにおばあちゃんの声が聞こえた。


〈…あっ、お風呂だって!じゃあ、そういうことでよろしくね♪星乃川学園、楽しんできて〜♪〉

「え…!ちょっと待って…アリスちゃ――」


アリスちゃんは一方的に告げると、電話を切ってしまった。


そのあと、わたしはバラの花びらが浮かぶお風呂に入って考えていた。