「ああ。アリスにとっても似合っているよ」


よかった〜…。

どうやら、パパ呼びで合っているようだ。


「さあ、アリス。先方もお待ちだ」

「…先方?」


わたしは小さくつぶやきながら、アリスちゃんパパに連れられる。


バレないようにと、アリスちゃんパパからの話に対しても、無難な返事を返すだけ。

でもアリスちゃんパパは、実の娘が入れ替わっていることに気づく素振りはなく、本当にわたしとアリスちゃんはそっくりなようだ。


「ママも撮影さえ入っていなければいっしょにこれたのに、残念だったな」

「そうですね――」


…じゃなくてっ。


「…そうだね!」


わたしは笑ってごまかした。


わたしたちは、ホテルの中にある高級フレンチレストランへ。

案内された個室には、すでに恰幅のいいおじさんがいた。