「今回、佐藤さんとペアになるエスコート科の生徒はこちらです」


そう言って、先生が開けたドアの先にいたのは――。

深々とお辞儀をする黒髪の男の子。


ゆっくりと体を起こしたときに見えた左の胸元には、『イージス』の証である金色に輝く星のバッジ。


「お初にお目にかかります。四之宮昴と申します。ありす様は、責任を持ってお守りいたします」


そう。

それは、紛れもなくわたしの愛しい昴くんだった。


「それでは四之宮くん、あとの説明は任せましたよ」

「はい」


先生は昴くんの返事を聞くと、そっと部屋のドアを閉めた。


昴くんと2人きりの部屋。

久々に会う昴くんを前にして、わたしは緊張で固まってしまう。


――だけど。


「おいで、ありす」


昴くんがやさしい微笑みを浮かべ、両手を広げた。