そういえば、雷が鳴っていた夜――。


『ありすは雷苦手だもんな。心配になって様子を見にきた』


わたしが雷嫌いなのをもともと知っての言葉だとわかったら納得がいく。


それに、翌朝のあの言葉だって――。


『ありすが覚えていなくたって、俺が好きなのはありすだけ』


あれは、“わたしが眠っていて覚えていない”じゃなくて、“わたしがるぅくんの顔を覚えていなくて昴くんに気づいていなくても”――という意味だったんだ。


「だけど、ありすの想いを知って、もうイージスのリーダーとしていられなくなった。ありすの彼氏として、そばにいたいと思ったんだ」


わたしもだよ、昴くん。

ただの護衛されるお嬢様じゃなくて、昴くんの彼女としていっしょにいたかった。


でも、それもアリスちゃんと入れ替わっている間まで。