「まだわからない?俺とありす、ずっと前に会ってるよ」


昴くんのその言葉に、わたしはキョトンと首をかしげる。


昴くんとわたしは、以前に会ったことがある…?

…いつ、どこで?


「忘れちゃった?俺は今でも覚えてるよ。4歳のとき、砂場で」

「4歳のときの…砂場?」


4歳といったら、わたしが幼稚園に通っていたころ。

そのときの砂場って――。


その瞬間、電流のようななにかがわたしの頭の中を駆け巡った。

一瞬にして、当時のおぼろげな記憶が鮮明に脳裏に浮かぶ。


…そうだ。

幼稚園の砂場で派手に転んで大泣きしていたとき、同い年の男の子がわたしに手を差し伸べてくれた。


その男の子の名前は、『るぅくん』。

わたしが密かに想い続けていた、初恋の人。


そして、今思い出した。