「こっちもアリス、あっちもアリス…?どういうことだよ!?」


顎が外れそうなくらいに、間抜けにも口をぽかんと開けていた。


「でも…、どうしてアリスちゃんがここに!?」

「えへへ〜。それはね、この2人に警護してもらってきたんだよ」


そう言うアリスちゃんの後ろから現れたのは、虹斗くんと慎太郎くん。


「今だに信じられないけど、本当にアリスちゃんが2人いる〜!」

「オレもまだ目を疑ってるけど…。でもこれで、この場は解決するんじゃないのか?」


慎太郎の言葉に、昴くんはフッと口角を開ける。


「2人ともご苦労だった。本物の“佐藤アリス”様がお越しになられたんだ。俺との争いに意味があるのか…、考えてみたらわかるよな?」


3人は昴くんの話を聞いて、すべてを悟ったようだった。


自分たちが誘拐したのは、佐藤アリスにそっくりな別人だったということを。