片脚を高く上げた昴くんのポージングからすると、どうやら鉄扉を蹴破って入ってきたようだ。


「…あ、あいつが1人でこの扉を!?」

「バカな…!扉には鍵がかかってたんだぞ!」

「し…信じられない」


昴くんの強さに3人は動揺している。


「昴くん!わたしなら大丈夫だよ!」


わたしは立ち上がって昴くんに手を振ってみせる。

3人と話しているときに、足の拘束も解いてもらっていた。


「ありす…、よかった」


わたしの姿を見て、ほっとした表情を見せる昴くん。

だけどすぐに、険しい顔つきへと変わる。


「お前ら…、よくもありすを!」


ギリッと唇を噛みしめた昴くんは、一直線に3人のもとへと突進する。


「今すぐありすから離れろっ!!」


飛び込んだ勢いのままに、昴くんは手前にいた1人に拳を振り下ろした。