「…まさか、なくしたのか!?」

「なくしたって、そんな……」


いつ、どこで?

考えてみると、1つの心当たりがあった。


「もしかして…、あなたたちがわたしを攫うときに落としたんじゃないんですか?」


攫われる直前まで、アリスちゃんとスマホで電話していた。

そのときに、荒々しくわたしを連れ去るから――。


「オレたちのせいか…!?」

「そうですよ!どうしてくれるんですかっ!」


あれがないと、アリスちゃんと連絡が取れないのに〜!


わたしは3人を睨みつける。


「だったら、父親の電話番号を教えろ!オレのスマホから身代金の要求をする」

「番号なんて知らないです」

「知らない…!?父親だろ!?」


そもそもアリスちゃんパパの電話番号は教えてもらってない。

わたしは、フンッと突っぱねる。