わたしが星乃川学園の生徒じゃなくなったら、昴くんとはどうなるんだろう。

もう会えないのかな…。


〈で、明日の時間についてだけど…。…あっ、ちょっと待ってて!おばあちゃんが呼んでる!〉


アリスちゃんは保留音を押して、電話から離れてしまった。


どうやら、アリスちゃんもだいぶこっちでの暮らしに馴染んでいるみたいだ。


アリスちゃんが戻ってくるの待っていると――。


「どうしよう…、困ったなぁ」


ふとそんな声が聞こえた。

目を向けると、側溝の中をのぞき込んでいる男の人が。


男の人がいるのは、学校の外。

でも、わたしとの距離は校門を挟んで3メートルほどの距離しかない。


勝手に外へ出るのはよくないけど、すぐそこに困っている人がいるというのに、このまま見過ごすなんてことはできない。