晴れて想いが通じて、お付き合いすることとなったわたしと昴くん。

だけど、そのときにはすでに交換留学期間終了の1週間前で、あれよあれよという間に最終日を迎えた。



その日の終礼。

わたしは、教壇に立つ先生の隣に立っていた。


「佐藤さんの交換留学期間は今日までです。1ヶ月間、ここでの生活はどうでしたか?」

「はい。経験したことのない授業ばかりで、毎日が刺激的でした。短い間でしたが、お世話になりました」


わたしがお辞儀をすると、クラスメイトたちからは拍手がわいた。


すると、突然1人の生徒が席を立った。

それは、沙理奈ちゃんだった。


ゆっくりとわたしのほうへと近づいてくる沙理奈ちゃんの腕には花束が抱えられていた。


「能天気なあなたのことが好きじゃなかったけど…。今はその無駄に明るいところをわたくしも見習ってみようと思ったわ」