そう言って、昴くんはわたしを抱きしめてくれた。


『ありすが覚えていなくたって』というのは、わたしが眠ったあとのこと――だよね?



わたしの中では、顔も忘れてしまった初恋の相手、るぅくんがずっと一番だった。

それが中学2年生になって、初めて本当に好きな人ができた。


好きな人と「好き」と言い合えることは、こんなにも幸せなことだったんだ。


このままずっと昴くんといっしょにいられたらいいのにな。


――しかし、昴くんやイージスとのお別れの日はすぐそこまで近づいてきていた。