あのあと、昴くんはこうしてわたしと同じベッドで寝てくれた。

布団の中でわたしのことを抱きしめて、ずっと頭をなでてくれて。


そのおかげで、わたしは安心して朝まで眠ることができた。


「昴くん、好き」


初めて見る寝起きの昴くんの顔が愛おしくて、わたしの口から自然と出た言葉。

それを聞いた昴くんの口角が上がる。


「俺も好きだよ、ありす。むしろ、俺のほうが大好きだから」

「わたしだって、昴くんのことが大大大好きだよ!」

「それはどうかな?俺はずっと、『好きだよ』って言い続けてたから」

「…え?いつ?」

「昨日の夜、ありすが寝たあと」

「そうだったの…!?」


…知らなかった。

結局、わたしはスヤスヤと眠ってしまっていたから。


「ありすが覚えていなくたって、俺が好きなのはありすだけ」