やってきてくれたのは、昴くんだった。


「…昴くん!」


わたしはすぐさま昴くんに抱きつく。

昴くんの匂いと体温に、徐々に心も落ち着いていく。


「ありすは雷苦手だもんな。心配になって様子を見にきた」

「ありがとうっ…。部屋に1人じゃこわくて…」


今でも体がプルプルと小刻みに震えている。


今日だけは、昴くんがそばにいないとダメだ。

ずっとここにいてほしい。


「ねぇ、昴くん。…今夜だけ、いっしょに寝てくれる?」


わたしの問いに、昴くんは黙ってうなずいてくれた。



次の日の朝。


わたしは、心地よい眠りから目覚めた。

――それもそのはず。


「おはよう、ありす」


わたしのすぐそばには、寝返りを打って顔を向ける昴くんの姿が。

目が合って、2人同時に微笑み合う。